皆さん、「仮想デスクトップ」と聞くと、何を思い浮かべますか?

皆さん、「仮想デスクトップ」と聞くと、何を思い浮かべますか?

私がぱっと頭に浮かぶのは、シンクライアントシステムDaaS(Desktop as a Service)あたりですね。
ところで、Windows10にも「仮想デスクトップ」という機能があるのをご存知でしょうか。

ということでこの記事では、Windows10「仮想デスクトップ」機能について、詳しく解説していきます。

因みに、この「仮想デスクトップ」機能は、WindowsではWindows10から新しく追加された機能になりますが、LinuxMacOSでは、以前から知られている機能となります。

Windows10の「仮想デスクトップ」とは?

Windows10の機能「仮想デスクトップ」とは、本来ひとつしかないパソコン画面のデスクトップを仮想的にいくつも作成することができ、それぞれのデスクトップで本来のデスクトップと同じように自由に作業ができる機能であります。尚、Windows10タブレットモードでは仮想デスクトップの機能は利用できません

「仮想デスクトップ」はどんな活用方法があるの?

活用シーン① パソコンを家族や友人と共有している場合

パソコンを家族や友人と共有している場合

例えば、自宅のパソコンを家族や友人と共有で使っているとします。自分が何か作業をしているところに、「ちょっとだけパソコン貸して~!」と家族が言ってきたとします。貸してあげるのは問題ないですが、編集中のファイルの内容を誤って変更されたら困りますし、そもそも見られたくない内容のものだったりすれば、全てのファイルをいったん保存して閉じなければならず面倒です。

そんな時にこの「仮想デスクトップ」の機能で、新規のデスクトップを新たに作成して開いておけば、作業していたファイルをわざわざ保存して閉じる必要はなく、そのままパソコンを貸してあげることができます

活用シーン② 複数のファイルやアプリを開いて作業している場合

複数のファイルやアプリを開いて作業している場合

例えばパソコンでいくつものファイルやアプリケーションを開いて作業をしているとします。複数のファイルやアプリケーションを操作しているうちに、目的のファイルやアプリケーションが隠れてしまって、作業効率がどんどん低下していきます。そんな時、この「仮想デスクトップ」の機能を使って、作成した複数のデスクトップを作業の内容ごとに割り当てたり、ファイルやアプリケーションの種類ごとに割り当てたりすれば、作業をスムーズに進めることができるようになります。

「仮想デスクトップ」機能の操作方法は?

では、実際に「仮想デスクトップ」の利用手順について説明します。といっても、手順というほど難しいものではなく、ショートカットキーを打ち込むだけです。

仮想デスクトップの新規作成(追加)

仮想デスクトップを新規で作成する時は [Ctrl] + [windows] + [D] を同時に押します。

[Ctrl] + [windows] + [D]

仮想デスクトップの切替

作成したそれぞれの仮想デスクトップを切り替える時は [Ctrl] + [windows] + [→(右矢印)]または[←(左矢印)] を同時に押します。

[Ctrl] + [windows] + [→(右矢印)]または[←(左矢印)]

仮想デスクトップの一覧表示

作成したそれぞれの仮想デスクトップを一覧で表示させたい時は [windows] + [Tab] を同時に押します。

[windows] + [Tab]

ウィンドウを別のデスクトップに移動

開いているアプリケーションやファイルなどのウィンドウを別のデスクトップに移動するには、まず、[windows] + [Tab] を同時に押します。すると、画面の上段にデスクトップの一覧が表示され、その下段には各デスクトップで開いているファイルやアプリケーションのウィンドウが表示されますので、移動させたいウィンドウを、上段に表示されている移動先のデスクトップドラッグアンドドロップすれば完了です。下の画面キャプチャの例であれば、デスクトップ1で開いていたEXCELファイルが、デスクトップ2に移動されました。

ウィンドウを別のデスクトップに移動

ウィンドウを全てのデスクトップに表示

開いているアプリケーションやファイルなどのウィンドウを全てのデスクトップ上に表示させたい場合は
まず、[windows] + [Tab] を同時に押します。すると、画面の上段にデスクトップの一覧が表示され、その下段には各デスクトップで開いているファイルやアプリケーションのウィンドウが表示されます。全てのデスクトップに表示させたいウィンドウを右クリックし、「このウィンドウをすべてのデスクトップに表示する」をクリックすれば完了です。下の画面キャプチャの例であれば、デスクトップ1で開いていたメモ帳が、デスクトップ2にもメモ帳が表示されるようになりました。

ウィンドウを全てのデスクトップに表示

タスクバーの表示設定

タスクバーにウィンドウを表示する際に、全てのデスクトップで開いているウィンドウを表示させるのか
現在使用中のデスクトップで開いているウィンドウだけを表示させるのか設定することができます。

最初にwindowsマークの「スタートボタン」を押下し、「設定」ボタンをクリックします。次に「システム」をクリックしたら「マルチタスク」を選択します。そこで、「タスクバーに次の場所で開いているウィンドウを表示する」のリストボックスから[すべてのデスクトップ][使用中のデスクトップのみ] を選択することができます。

全てのデスクトップで開いているウィンドウを表示させるのか

「すべてのデスクトップ」を選択しておくと、ウィンドウの切り替えがスムーズにに行えるようになります。

仮想デスクトップの削除

作成した仮想デスクトップを削除する時は [Ctrl] + [windows] + [F4] を同時に押します。

[Ctrl] + [windows] + [F4]

尚、パソコンをシャットダウンや再起動しても、仮想デスクトップが削除されることはありません。

タッチパッドを使って、タスクビューを表示

タッチパッドでも一部操作が可能です。タッチパッドで操作を行う機会が多い人は、以下を参考にしてみてください。

タスクビューを表示

タッチパッドタスクビューを表示させたい場合、3本の指でタッチパッドの上に向かってスワイプさせます。

3本の指でタッチパッドの上に向かってスワイプ

同一デスクトップ内でのウインドウ切替

タッチパッドで同一デスクトップ内でのウインドウ切替を行いたい場合、3本の指でタッチパッドの右や左に向かってスワイプさせます。

同一デスクトップ内でのウインドウ切替

「仮想デスクトップ」機能の不便な点

このようにとても便利な仮想デスクトップではありますが、若干不便な点もいくつかあります。

仮想デスクトップの切替がループされない

仮想デスクトップの切替は、ブラウザのタブのようにはループされません。例えば、いくつも仮想デスクトップを作成して作業していたとして、一番最後に作成した仮想デスクトップから一番最初の仮想デスクトップに、[Windows] + [Ctrl] + [→(右矢印)]で切り替えることはできません。そのため、[Windows] + [Ctrl] + [←(←矢印)]を必要な回数押して戻るしかありません。

何番目の仮想デスクトップなのかわからない

作業中のデスクトップが何番目に作成したデスクトップなのかを、デスクトップ上に表示させるような機能はありません。そのため確認するには、いちいち[windows] + [TAB] で タスクビューを表示させ
上段に並ぶデスクトップ一覧のところを参照するしかありません。

仮想デスクトップごとに壁紙を変更することができない

壁紙を変えられれば、どこのデスクトップで作業しているのかが視覚的にわかりやすくなりますが、各デスクトップごとに壁紙を変えられるような機能はなく、もし任意のデスクトップから壁紙を変えた場合、すべてのデスクトップ画面の壁紙が同じ壁紙に変更されてしまいます。

さいごに

Windows10の「仮想デスクトップ」機能についていかがだったでしょうか。うまく使いこなせば、かなりの作業効率UPに繋がるかもしれません。是非、活用してみてください。

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